遺言の種類とメリット・デメリット
「遺言」・・・。なんて読むのかわからないなぁ。ゆいごん?いごん?
どちらも合っています!「ゆいごん」と読んでも正解ですし、「いごん」と読んでも正解です。
ただ、法律上は「いごん」と読みます。
遺言(ゆいごん・いごん)とは
遺言とは、死後遺産の継承等について自分の意志を反映させる唯一の方法です。
遺言がないと、相続人は全員で話し合い、遺産をどうするか決めることになります。これを遺産分割協議と言います。また、そこで決まった事項を書いたものが遺産分割協議書です。この遺産分割協議は相続人全員の同意が必要になります。万が一1人でも反対すると協議を成立させることができません。そうなると、相続争いとして、家庭裁判所の遺産分割の調停の手続きを利用することになります。
ポイント
遺言は、死後遺産の継承等について自分の意志を反映させる唯一の方法。
唯一の方法!!じゃあ、大切なことじゃない?!でも私遺言について何もわからないなぁ・・・
そうなんです。遺言は大切なことなんですが、意外と知られていないんですよね!
なんかちょっといい紙に書きたいこと書いとけばいいんじゃないの?和紙とかさ!
紙に書くことに問題はないのですが、書き方が民法で決まっていて、間違っていると無効になってしまうんです!
無効って「なし」ってこと!?せっかく書いたのにそれは困るね!!
では、今回は遺言の種類とそれぞれのメリットデメリットついて詳しくお話していきますね!
遺言の種類
遺言には3種類あります。
①自筆証書遺言
②公正証書遺言
③秘密証書遺言
1つずつ解説していきます。
①自筆証書遺言
自筆証書遺言とは、遺言者が遺言の全文・日付・氏名を自書し押印して作成するものです。
紙と筆記用具さえあれば作成できます。費用なども掛からず、手続きも簡単です。
さらに、作成内容も秘密にしておけるという利点もあります。
その反面、開封には家庭裁判所の検認の手続きが必要になります。また、書き方が法的に間違っていると無効になってしまう危険性があります。紛失・偽造の心配や発見されない可能性もあります。
メリット
- 簡単に作成できる
- 費用がかからない
- 秘密にできる
デメリット
- 法的要件不備で無効の可能性がある
- 紛失・偽造・発見されない可能性がある
- 検認の必要がある
検認とは
「検認」とは,家庭裁判所で相続人に対し遺言の存在や内容を知らせる手続きです。遺言の有効・無効を判断する手続ではありません。検認を終えると家庭裁判所から「検認済証明書」が発行され「裁判所で検認を受けた遺言書」となります。
②公正証書遺言
公証人の面前で遺言の趣旨を口授し、公証人が遺言書を作成して遺言者・証人2人に読み聞かせて行う遺言をいいます。原本は公証役場で保管されます。
作成・保管ともに公証人が行うため、確実で法的に最も安全です。家庭裁判所での検認の必要もありません。その反面、公証人への手数料、証人2人が必要になります。
メリット
- 最も安全で確実
- 検認不要
デメリット
- 手数料がかかる
- 証人2人が必要
- 内容を秘密にできない
③秘密証書遺言
秘密証書遺言は、遺言者が遺言を自署し押印、封印し、公証役場に持っていき、公証人及び証人のもとで、保管を依頼します。公正証書遺言との違いは、作成を自ら行う点です。遺言の内容を秘密にでき、偽造や発見されないなどのリスクもありません。その反面、遺言の内容の法的要件が備わっているか確認されているわけではないので不備があれば無効となります。
メリット
- 秘密が保てる
- 偽造・発見されないというリスクがない
デメリット
- 法的要件不備による無効の可能性がある
- 費用が掛かる
以上のように遺言には3種類があります。
遺言を作成することで、ご自身の意思を反映させることができるとともに、残された相続人間での争いを未然に防ぐことにも繋がります。遺言作成時に遺言の書き方がわからない、公証役場での証人になる人がいない、など不安がある方はぜひご相談ください。
ほんのり、遺言についてわかった気がする!!
ほんのりで大丈夫です。また次の記事でさらに詳しくお話していきますね!
投稿者プロフィール
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2児の母。
市川で山田弓行政書士事務所を開業。
専門は相続関係業務。
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